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アワビセミナーに参加。アワビの歯 タコがアワビを食べるとき

 

「南三陸・海のビジターセンター」

で開かれた、アワビセミナーに参加してきました。

 

講師は東大でアワビの研究をしている先生。

岩手県の大槌町に東大の研究所があるんですね。

というか全国各地にあるという話でした。

 

さすが東京大学。

 

 

普段、アワビの養殖をしている私ですが、

知識としては知らない事だらけで、

ちょっと反省しつつも楽しい時間でした。

 

 

タコがアワビを食べる、おそるべき方法


特に印象に残った話が、

タコがアワビを食べる方法です。

 

以前、このブログでも書きましたが、

養殖アワビのカゴの中にタコが紛れ込んで、

大量にアワビが食べられてしまったことがありました。

 

ほんと衝撃の光景で…

 

なので、タコはアワビの天敵!

ということは身を以て知ってるつもりです。

 

ですが、どのように食べているか、

は全然知りません、気にとめようともしませんでした。

 

 

さてその方法。

と、その前にアワビが敵から身を守る方法を。

 

基本的に、

岩にギュッと張り付いて、身を殻で守ります。

 

本気で張り付かれると、

ちょっとやそっと力を入れたくらいでは、

剥がれません。

 

そうやって敵から身を守ってるんですね。

 

張り付いたアワビをどうにかできるヤツは、

海の中にはほとんどいない、という話でした。

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、

その張り付いたアワビをタコがどうやって剥がして食べるか?

 

なんと、

針のようなものでアワビの殻に穴を開け、

そこから身に毒を注入して、弱らせたところをひっくり返して食べる、

ということでした。

 

だからタコに食べられたアワビは殻を見るとわかるらしく、

その写真がこれです↓

黄色い矢印の先に

よく見ると小さな穴が空いてます。

 

これがタコにやられた穴!

 

びっくりです!!

 

タコってほんとすごいヤツですね。

擬態のために体の模様を変化させて海の忍者、

とか言われてるのを聞いたことはありますが、

 

毒針さして食べるとか…

 

どんだけいろんな技を持っているのか。

 

タコにも興味が湧いた瞬間でした。

 

 

 

アワビの歯、こんな形だったのね!


今度はアワビの歯について。

 

私もアワビの口の位置は知っていました。 

下の写真はうちの養殖アワビ(わけあり)です。

黄色い丸で囲まれた黒いところが口です。

 

ここでムシャムシャと、

ワカメや昆布などの海藻をこそぎ取って食べています。

 

でも、そのための固い歯は、

とても変わった構造になっていました。

写真の黄色い矢印の先にある、

透明なペロンとした細長いのが歯です。

 

よく見ると表面がギザギザしています。

 

肉眼ではわかりずらいですが、

セミナーでは顕微鏡で見せてもらいました。

 

このペロンとした歯の先から順に、

口で餌を食べるのに使われ、

 

その歯が削れてきたら、奥からまた新しい歯が出てくる、

という構造になっているのです。

 

私が子供の頃、

ロケットエンぴつというのがありましたが、

それに似た構造ですね。

 

使って減ってきたら奥から新しいのが出てくる。

 

だから、こんな細長い形になっていて、

常に体内に歯をストックしているんですね。

 

 

たまに、アワビを食べていて

ジャリっとなって「砂入ってた!」

ということがあるのですが、

 

それはこの歯が当たっていることも多いのだそうです。

 

解剖されたアワビの写真。

こう見ると、普段食べているときとは違って見えますね。

 

でもおかげでアワビに対しての理解を深めることができました。

 

感謝とともに合掌🙏

 

 

 

 

と、他にも興味深い話がたくさんあったのですが、

長くなりそうなので今回はこのぐらいで。

 

また何かの機会に、

書いていけたらなと思っています。

 

 

それではまた。

 

 

 

 

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